真珠湾攻撃隊(昭和16年12月8日)

1 第1航空艦隊旗艦「赤城」

 
 やはり最初は第1航空艦隊旗艦「赤城」。。これはフジミ1/700のキット。甲板上には第1次攻撃隊を再現している。
 第1次攻撃隊の編成は、零戦9機、九七式艦攻(水平爆撃)15機、九七式艦攻(雷撃)12機の計36機。右の写真の前方の9機が制空隊の零戦、そのすぐ後ろ中央の赤い尾翼の九七式艦攻(水平爆撃)が第1次攻撃隊指揮官の淵田美津雄中佐機。

これはエフトイズのウィングキットコレクションシリーズVol.1「WWU日本海軍機編」の1/144九七艦攻「淵田中佐機」。
甲板は、SWEET「日本海軍航空母艦(翔鶴・瑞鶴型)飛行甲板セットPart2(延長飛行甲板)」を半分に切って張り合わせ、タミヤ・アクリルカラーの木甲板色を塗装したもの。
 
「日本海軍機編」は零戦二一型、九七艦攻、九九艦爆、雷電、紫電改、震電のどれかが入っていて、これは九七艦攻のシークレット。シークレットを当てるためにどれだけ多くの出費をしたことか。
おかげで零戦も、九七艦攻も、九九艦爆も手元にたくさんある。
いつの日かSWEETの甲板上に零戦、九九艦爆、九七艦攻をずらりと並べてみたいと思う。紫電改も山のようにあるので、ずらりと並べて松山の343航空隊とか、夢は膨らむ。

こちらは淵田中佐機の塗装をした艦上攻撃機「天山」。「天山」は太平洋戦争後期の主力機なので、もちろんこの設定はフィクション。これはウォーバードデスクコレクション「if」シリーズで、これもやはりシークレット。
 

2 真珠湾攻撃隊制空隊

食玩の山をひっくり返したら、ウィングクラブコレクションの零戦二一型のキットが5組見つかった。付属デカールは4種類だったが、数字の部分をうまく切貼りして5つとも違うパイロットの搭乗機にした。これは「赤城」第二次攻撃隊制空隊指揮官 進藤三郎大尉機。モノクロで撮影して当時の記録写真らいし雰囲気を出してみた。


 

これは第1次攻撃隊第3制空隊長(「蒼龍」搭載機) 菅波政治大尉機。甲板はSWEETの横長の飛行甲板を真中で切ってつなぎ合わせたもの。白線の幅、長さをどのくらいにするか苦労した。
赤城の飛行甲板の写真をよーく見て、板何枚分か数えて幅、長さを決めた。


 

 これは第2次攻撃隊赤城第2小隊長 乙訓菊江一飛曹長機。わかりにくいがこちらを向いて敬礼しながら発艦体制に入っている。


これは第1次攻撃隊第4制空隊指揮官(「飛龍」搭載機) 岡嶋清熊大尉機。雲の合間から次第にハワイ諸島が見えてくるところを想像して作ってみた。プロペラが回っているとかっこいいのだが。


第2次攻撃隊第3制空隊(「蒼龍」搭乗機)指揮官 飯田房太大尉機。長身、色白のため「お嬢さん」と呼ばれた飯田大尉はカネオヘ飛行場を銃撃したが、燃料タンクに被弾して飛行場に突入、自爆した。
銃撃により黒煙が上がっているところを再現してみた。  

3 1/2000艦船キットコレクション

これはエフトイズの「艦船キットコレクションVol.1真珠湾〜1941」。1/2000なのにこの精密さはすごい。
特に空母の飛行甲板のスジ彫りは絶品!
左の写真は真珠湾攻撃隊大集合。
奥が空母「赤城」、中段左が潜水艦伊22、右が空母「蒼龍」、手前左が潜水艦伊24、右が戦艦「比叡」。右は「赤城」のアップ写真。 

   
 

次は「蒼龍」。右の写真は上から撮ったところ。甲板のスジ彫りの絶妙さがよくわかる。

    
  

左は潜水艦のアップ写真。伊22、伊24はそれぞれ特殊潜航艇を搭載している。
搭載されている特殊潜航艇はそれぞれ、伊22 岩佐大尉艇、伊24 酒巻少尉艇。
真珠湾攻撃に向かった5艇10人の搭乗員のうち酒巻少尉だけは艇が座礁し、意識不明となったところ捕虜になった。
他の9人の搭乗員は戦死し、のちに「九軍神」とたたえられたが、酒巻少尉が捕虜になったことは戦後まで秘匿されていた。
右は「比叡」。

      
 

4 真珠湾攻撃隊艦爆隊

 エフトイズのウィングキットコレクションシリーズVol.1「WWU日本海軍機編」の1/144九九艦爆。
 これはシークレットで、第2次攻撃隊艦爆隊の指揮官 江草隆繁少佐搭乗機(空母「蒼龍」搭載)。
 九七艦攻「淵田中佐機」と同じく尾翼の派手な塗装が特徴だ。
 少し見えにくいが、風防の中にはちゃんと搭乗員2名のフィギュアも入れている。
  

 こちらはウォーバードデスクコレクション「if」シリーズの艦上攻撃機「流星改」で、これもやはりシークレット。
 「流星改」は雷撃も水平爆撃も急降下爆撃も行い、艦攻と艦爆を一つにしたという欲張った設計であったが、終戦間際になってようやく実戦配備されたため活躍の機会はなかった。
 この機体は、加賀搭載機という設定。右の写真では、「流星改」の特徴である逆ガル式の主翼がよくわかる。
  

 2機そろって発艦準備完了!
 

5 英空母「イラストリアス」〜タラント空襲(昭和15年11月11日)

 英空母「イラストリアス」から飛び立ったわずか21機の旧式複葉攻撃機「ソードフィッシュ」が、イタリア半島南部のタラント軍港を襲い、イタリア海軍に大打撃を与えた。
 当時、戦艦6隻をはじめとしたイタリア艦隊はイギリス海軍にとってイギリス本土からマルタ、ギリシャ、エジプトに至る航路を脅かす存在であった.
 しかし、2派にわたる雷撃隊の攻撃で、6隻の戦艦のうち1隻は沈没、2隻は大破着底。一夜にしてイタリア海軍の戦力は半減し、地中海の制海権は完全にイギリス海軍が掌握することになった。
 その結果、ギリシャやエジプトへの軍事物資の輸送が容易になり、イギリス軍は同方面における作戦を有利に展開することができた。

 英空母「イラストリアス」。キットはウォーターラインシリーズ・アオシマの1/700。
 左舷の迷彩パターンはキットの箱絵を、右舷の迷彩パターンは、「艦船模型スペシャルNO.17 日本海軍 駆逐艦の系譜・1」裏表紙のウォーターラインシリーズの広告に右舷側から撮った「イラストリアス」の作例が出ていたのでそれを参考にした。

  


 イギリス海軍の主力雷撃機として活躍した「ソードフィッシュ」雷撃機。
 空母を持たず、艦戦による反撃ができなかったドイツやイタリアの海軍にとっては、旧式の複葉機でも大きな脅威であった。
 翌年5月のドイツ戦艦「ビスマルク」追撃戦においても、英空母「アークロイヤル」から発進したソードフィッシュが雷撃で「ビスマルク」の舵を損傷させて行動の自由を奪うという殊勲をあげ、その後の撃沈につなげている。
 キットは、フルタのチョコエッグ戦闘機シリーズ第4弾(2004年9月発売)に入っていたもの。
 食玩だからとってあなどってはいけない。魚雷を抱え、空を飛ぶ姿はなかなかのもの。

 


 プラモデルと食玩のコラボ。
 キットの箱から切り抜いた艦名を付属の艦名板に貼り付けて記念撮影。

  

 
 軍港に停泊している艦船に魚雷攻撃を仕掛けるという、当時としては常識破りの作戦の成功を山本五十六聯合艦隊司令長官は見逃さなかった。
 タラント空襲から約1年後、2派350機を越える日本海軍機が真珠湾を襲い、アメリカ太平洋艦隊に大きな打撃を与えた。
 
 幕僚たちから港湾施設の破壊や米空母の捕捉のため再度の攻撃を具申された南雲中将はこれを認めず、攻撃隊を収容すると機動部隊を帰途につかせた。
 (映画「トラ・トラ・トラ」で、反転する「赤城」の艦橋の中で仁王立ちしている南雲中将役の東野英治郎の姿が印象的だった)
 再度の攻撃をしなかったことについては、後になってからも批判はあるが、真珠湾攻撃の目的は南方の資源地帯を制圧するまでの間、アメリカ太平洋艦隊を真珠湾に釘付けにしておくことであった。
 その目的を十分に達成したのだから、緒戦において大きな損害を被ることなく引き上げたことは正解だったのだろう。
  

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