1 海上自衛隊創設期の護衛艦

(2)DD-181 あさかぜ

76mm単装砲のパトロール・フリゲイトが中心だった創設時の海上自衛隊に、127mm単装砲を装備した「大型艦」がやってきた。
昭和29年に米軍から貸与されたリヴァモア級駆逐艦の「エリソン」と「メイコム」である。
日本ではそれぞれ「あさかぜ」「はたかぜ」と命名され、初期の海上自衛隊の主力艦となった。
写真は「あさかぜ」、キットはピットロード1/700「あさかぜ」。 

 

 「あさかぜ」「はたかぜ」の先代は「神風」型駆逐艦の「朝風」「旗風」。
すでに開戦時には旧式化していた「朝風」「旗風」だったが、ジャワ島攻略作戦では僚艦「春風」とともに体を張って輸送船団を守り、
日本の南方資源地帯の確保に大きく貢献した。(このことは「南方攻略作戦(駆逐艦「神風」型の戦い)」で紹介しているのでご参照ください)
 このときの功績が、護衛艦(当時は警備艦)の命名に大きく影響したのだろう。
 この後、「はるかぜ」は昭和31年に竣工した初の国産護衛艦(警備艦)の艦名に「ゆきかぜ」とともに選ばれ、「あさかぜ」「はたかぜ」は対空ミサイル
搭載護衛艦(DDG)に引き継がれている。

 「あさかぜ」も「わかば」と同じくCanDoの100円コレクションケースに入れて記念撮影。
 

 アメリカから引き渡された直後は、前方と後方にそれぞれ2門ずつ主砲が配置されていたが、復元性能が不十分だったので昭和30年に2番砲塔は
撤去されている。攻撃力は減少したが、「あさかぜ」型の速力37ノットはいまだに護衛艦中最速の記録である。

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