西川医院

病気のはなし

ここでは生活習慣病以外の身近な病気について解説します。

【病気の一覧】
1.胃・十二指腸・食道の病気
2.大腸の病気
3.肝臓・胆のう・膵臓の病気
4.腎臓・脾臓の病気
5.婦人科の病気

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かもめ

胃・十二指腸・食道の病気

【胃・十二指腸潰瘍】

胃潰瘍や十二指腸潰瘍はともに「消化性潰瘍」とも呼ばれ、胃や十二指腸の粘膜が胃酸によって消化されてクレーターのように掘れてしまった状態です。症状は「みぞおち」の痛み(心窩部痛といいます)で、空腹時や夜間に多く認められます。主な原因としてピロリ菌と消炎鎮痛剤によるものがありますが、その他にも様々な原因があります。
潰瘍を放っておくとそこから出血して貧血を来したり、また「穿孔」といって胃や十二指腸の壁に穴が空いて腹膜炎を起こしてしまうこともあるので、しっかり治療することが必要です。

治療は、胃潰瘍であれば8週間、十二指腸潰瘍であれば6週間制酸剤による内服治療を行います。危険なのは、内服治療開始後に潰瘍が治っていないにもかかわらずしばらくすると症状が落ち着いてしまうので、患者さんの判断で治療を中断してしまうことがあります。これは大変危険なことであり、その後リバウンドでさらに潰瘍が悪くなることもあるのです。ですから、潰瘍が治癒するまでしっかり治療を続けなければなりません。
また、 ピロリ菌が陽性であれば除菌治療の対象になります。詳しくはピロリ菌のページをご覧下さい。

写真(上) : 胃角部に深掘れの巨大潰瘍があり、出血した形跡を認めます。
写真(下) : 十二指腸球部に潰瘍を認め、さらに潰瘍を繰り返しているため十二指腸球部は変形しています。

胃潰瘍
十二指腸潰瘍

【慢性萎縮性胃炎】【化生性胃炎】【鳥肌胃炎】

慢性萎縮性胃炎、化生性胃炎および鳥肌胃炎についてはピロリ菌のページに詳しい説明があります。

【表層性胃炎】

基本的にピロリ菌感染による慢性萎縮性胃炎がない比較的若い年代の胃によく見られます。内視鏡で観察すると、粘膜表層に線状の発赤(赤いスジ)がみられるもので、無症状の人から強い心窩部痛(みぞおちの痛み)を感じる人まで症状は様々です。症状が強い時は内服治療を行います。

写真 : 胃の中央部分(胃体部)に典型的な「櫛状発赤」と呼ばれる線状の発赤を認める。

表層性胃炎

【タコイボ胃炎】

慢性萎縮性胃炎がないかあっても軽度の胃に見られ、胃酸の過分泌と関係があると言われています。粘膜の炎症によってびらん(浅い粘膜の傷)ができ、それを修復しようとして粘膜が再生を繰り返しているうちに周囲が盛り上がってあたかもタコの吸盤のように見えることからその名があります。症状は人によりまちまちですが、心窩部痛を認めます。症状が強ければ内服治療を行います。

写真 : 胃の出口付近(幽門部)にできたタコイボびらん。軽度の櫛状発赤も伴っている。

タコイボ胃炎

【胃ポリープ】

1.【胃底腺ポリープ】
胃の上部にある胃粘膜の腺組織(胃底腺)から発生する径3〜5 mm前後のポリープで、多発する傾向があります。表層性胃炎など粘膜萎縮のない胃にできやすく、放置して良いポリープです。

写真 : 胃体部前壁の径5mm大の胃底腺ポリープ。

胃底腺ポリープ

2.【胃過形成性ポリープ】
ピロリ菌および粘膜萎縮と関係があると言われています。増大傾向があったり出血したりする場合は内視鏡治療の対象になり得ます。

写真 : 胃幽門部の径5mm大の過形成性ポリープ。

胃過形成性ポリープ

3.【胃腺腫】
白色調の扁平隆起で大きさは様々です。上記2種類のものと違って腫瘍性ポリープで、良性と悪性の境界病変とも言われ、内視鏡治療の良い適応になります。
内視鏡治療は、従来行われてきた内視鏡的粘膜切除術(EMR)に代わり、最近では内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が主流になりつつあって従来よりも大きめの病変も切除できるようになってきました。

写真 : 胃体部小弯の径25mm大の胃腺腫。※腺腫の境界や表面の凹凸を目立たせるために青い色素(インジゴカルミン)を散布しています。

胃腺腫

【胃粘膜下腫瘍】

胃のポリープが胃の表面を覆っている粘膜から発生するものであるのに対し、胃粘膜下腫瘍は粘膜よりも下の組織から発生するしこり(腫瘤)です。ポリープと違って腫瘤の表面は正常の粘膜の皮で覆われています。通常見掛けるものは数mmからせいぜい1cm前後までの大きさであり、定期的に内視鏡検査で経過観察をしてゆけば十分です。しかし、2〜3cmを越すような大きなものや増大傾向のあるものでは悪性腫瘍との鑑別が必要であり、精密検査を行う必要があります。

写真 : 胃の上部(体上部後壁)に径1cmの粘膜下腫瘍を認める。

胃粘膜下腫瘍

【逆流性食道炎】

食道裂孔ヘルニアなどにより胃噴門部の圧が低下すると、酸を含んだ胃液が食道に逆流して炎症を起こします。主に「胸やけ」などの症状が見られます。
また、胸やけなどの逆流性食道炎の症状があるにもかかわらず内視鏡検査で食道に炎症が見られないこともあります。逆流性食道炎も含め、これらの病態は総称して胃食道逆流症(GERD)と呼ばれています。
治療は生活習慣の改善をはかります。無効なときは制酸剤を投与しますが、胃酸を抑えてあげることによって症状はかなり緩和されます。

写真 : 食道粘膜と胃粘膜との接合部にびらんがあり、胃粘膜が食道に向かってはみ出している所見を認める。

逆流性食道炎

【食道静脈瘤】

腸からの栄養分を多く含んだ血液を肝臓に送る血管を門脈と言いますが、肝硬変で硬くなった肝臓へもはや門脈血流は戻ることができず、バイパスを作って他のルートを迂回するようになります(側副血行路)。その代表的な側副血行路が食道静脈瘤であり、食道の静脈が怒張して瘤のように膨れあがります。さらに成長すると突然破裂して大出血を来たし、出血量が多ければその場で命を落とすことも希ではありません。

写真 : C型肝硬変の患者。特に画面右方向に怒張した静脈瘤を認める。

食道静脈瘤

大腸の病気

【過敏性腸症候群(IBS)】

過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や腹部不快感を伴う下痢や便秘などの便通異常が慢性的にくり返しおこる疾患です。ただし、腸管に器質的な異常がみられるわけではなく、自律神経失調による腸管の機能異常と考えられています。10〜30歳代の若い年代に多くみられる傾向があります。
「通勤・通学途中の電車の中でおなかが痛くなり、トイレに駆け込みたくなる」、「試験の前や大事な会議の前におなかが痛くなる」ことはありませんか。このような症状でQuality of Life (生活の質)を低下させてしまうケースが少なくありません。過敏性腸症候群(IBS)は薬物療法により良くなる疾患です。特に男性の場合はセロトニン3受容体拮抗薬が有効です。治らないと思って諦めず、受診されて適切な診断と治療をお受けになってください。

以下のサイトも参考にしてください。

IBSネット 腸、快適生活!〜過敏性腸症候群・腹痛・下痢にお悩みの方へ〜

IBS

肝臓・胆のう・膵臓の病気

【脂肪肝】

肝臓に余分な脂肪が貯まった状態で、少なからず肝機能障害を引き起こします。原因のほとんどが肥満とアルコールの飲み過ぎです。まさにメタボリックシンドロームの始まりです。治療はメタボリックシンドロームの治療そのものです。

写真 : 肝臓が腎臓と比べてエコー輝度の上昇によって白く写っており(肝腎コントラスト陽性)、肝臓に脂肪が沈着していることが分かる。

脂肪肝

【慢性肝炎】

B型慢性肝炎、C型慢性肝炎などの慢性ウイルス性肝炎。肝臓の予備能力はまだ保たれますが、慢性の炎症と肝機能障害が続いています。肝臓の炎症を抑えて肝硬変に移行させないために解毒剤(グリチルリチン)の投与を行ったり、肝炎ウイルスの消滅を目的にインターフェロン治療を行います。インターフェロン治療の導入には入院が必要で、肝生検(肝臓の組織を採取する検査)を行って肝炎の進行度を判定します。
超音波検査では肝臓の下縁が丸みを帯びて鈍化し、肝臓内部のエコーは不均一で血管構造の見え方も乱れてきます(脈管構築の乱れ)。

写真 : C型慢性肝炎の患者。肝下縁は鈍化し、肝臓内部のエコーはやや不均一、軽度の脈管構築の乱れを認める。

慢性肝炎

【肝硬変】

B型・C型慢性ウイルス性肝炎、あるいはアルコール性肝機能障害がさらに進むと肝臓内では線維化が進行して肝臓が硬くなり、肝臓の予備機能がなくなって働きが徐々に失われます。さらに腹水、食道静脈瘤、肝性脳症(肝臓で解毒できない物質が体中に回り意識障害をおこす)などの合併症がみられるようになり、失われた肝予備能はもう元には戻りません。
超音波検査では慢性肝炎の画像所見がさらに悪化し、肝臓の右半分(右葉)は萎縮して小さくなり左半分(左葉)は腫大して大きくなります。肝下縁の鈍化が目立ち、肝臓の内部エコーはさらに不均一となり血管構築は不明瞭となります。肝臓が硬くなって結節が形成されてくるといよいよ肝表面の凹凸が目立ってきます。硬くなった肝臓に戻れなくなった腸からの血液(門脈血)は他のルートを迂回し(側副血行路)、脾臓が腫れてきます(脾腫)。
慢性肝炎や肝硬変になると肝臓がん発症のリスクが高くなるため、早期発見のためにも超音波検査による定期的な経過観察が不可欠です。

写真 : 腫れた脾臓(脾腫)および肝臓下縁の鈍化、肝臓内部の不均一と表面の凹凸を認める。肝臓の右葉には約径5mmののう胞を認める。

肝硬変

【肝血管腫】

肝血管腫は、異常血管からなる肝臓の良性腫瘍です。自覚症状もなく治療の必要もありません。ただし他の肝腫瘍との鑑別のため、定期的に経過観察のための超音波検査をお勧めしています。超音波検査では正常の肝実質と比べて白く写ります。

写真 : 肝臓内に約1cm大の高エコー輝度の腫瘤を認め、肝血管腫と診断した。

肝血管腫

【肝のう胞】

肝臓の中に液体の入った袋があるもので、余程大きくなって他の臓器を圧迫しない限り自覚症状はありません。治療の必要はありませんが、腫瘍などとの鑑別もあり、定期的に経過観察のための超音波検査をお勧めしています。超音波検査ではのう胞内は無エコー領域として黒く抜け、後方のエコーが増強されて白く写ります(後方エコー増強)。

写真 : 肝臓内に約3.5cmおよび2cm大の黒い無エコー領域を認め、後方エコー増強を伴ったため肝のう胞と診断した。

肝のう胞

【肝石灰化】

何らかの原因(炎症、出血など)により肝臓内に石灰(カルシウム)が沈着した状態で、病気が治った後なのでほとんどのものが問題になりません。また、肝臓内にできた結石のこともあります。超音波検査では強エコーの白い点として写ります。

写真 : 肝臓の右葉に5mm大の石灰化を認める。

肝石灰化

【胆石症】

胆石症には、胆のうにできる胆のう結石症と総胆管にできる総胆管結石症があります。また成分により、コレステロールを主成分とするコレステロール結石と、胆汁成分が主なビリルビン結石があります。
胆石症は多くのものは症状がなく、サイレントストーンと呼ばれます。胆のう結石の発作は、夕食に脂肪分の多い食事を摂ったその晩に右季肋部痛(みぞおちよりやや右側)として発症し、さらには胆のう炎を引き起こすこともあります。また総胆管結石が胆管に詰まると黄疸となり、胆管炎を引き起こした場合は直ちに内視鏡を使った胆道造影検査によって処置をする必要があります。
治療は胆石溶解剤(ウルソデオキシコール酸)を内服しますが、解けないことが多いです。胆石発作を頻回に起こす場合は腹腔鏡手術で胆のうを摘出します。

写真 : 胆のう内に約3cm大の強エコー像を認め、後方に影(音響陰影)を引くことより胆のう結石症と診断した。

胆石症

【胆のうポリープ】

胆のう内にできるポリープで、ほとんどのものは数mm大の小さなものです。無症状で治療の必要はなく、超音波検査による経過観察で十分ですが、1cmを越えてくるものや増大傾向のあるものは癌との鑑別が必要なため、場合によって腹腔鏡による胆のう切除を行うことがあります。

写真 : 胆のう内に径5mm大のポリープ像を認める。

胆のうポリープ

【慢性膵炎】

膵臓に繰り返し炎症が起こり、次第に膵臓の細胞が壊されて膵臓の機能が障害されていきます。原因としてアルコール多飲が最も多く、ついで胆石症です。慢性膵炎の状態でさらに飲酒を続けると、「急性増悪」といって急性膵炎と同じような急激な腹痛発作が起こります。
超音波検査では、膵液を出すための主膵管が平滑でなくなってきたり、内部に点状の高エコーを認め、さらに進行すると膵臓の線維化が進んで表面凹凸となります。

写真 : 主膵管が不平滑(口径不動)となり、内部エコーも粗になり慢性膵炎が疑われた。

慢性膵炎

腎臓・脾臓の病気

【尿管結石症】

腎臓で作られた尿を膀胱まで運ぶ管である尿管に結石が詰まると、腰から下腹部にかけて七転八倒するがごとくの激痛(疝痛発作)を感じます。同時に尿に血液が混ざって血尿が見られることもあります。
診断は、典型的な腰痛(疝痛発作)と肉眼的血尿あるいは尿検査で目に見えない血尿(尿潜血)を認めること。さらに、結石が尿管に詰まっているので、腎臓に尿が貯まっている所見(水腎症)を超音波検査で見つけることで確定します。
発作急性期の治療は、鎮痛剤を使いながら水分摂取や点滴治療を行い、小さな石であれば自然に石が尿に出ること(自然排石)も期待できます。自然排石しない石は、結石に衝撃波を当てて砕く方法を行います。これには体の外から衝撃波を当てる方法(体外衝撃波結石破砕術(ESWL))や、尿路の内視鏡を用いて当てる方法とがあります。

写真 : 左の腎臓は尿が貯まって水腎症になっています。

水腎症

【腎のう胞】

肝のう胞と同じく腎臓の中に液体の入った袋があるもので、通常自覚症状はありません。治療の必要はありませんが、腫瘍などとの鑑別もあり、定期的に経過観察のための超音波検査をお勧めしています。

写真 : 両側の腎臓内に各々径38mm、27mmの無エコー領域を認め、腎のう胞と診断した。

腎のう胞

【腎血管筋脂肪腫】

血管、平滑筋、脂肪からなる良性腫瘍で、通常自覚症状はありません。治療の必要はなく、定期的に超音波検査で経過観察をしてゆきます。超音波検査では境界明瞭で内部は均一な高エコー像としてみられます。

写真 : 腎臓内に径7mmの境界明瞭で内部均一な高エコー輝度の腫瘤を認め、腎血管筋脂肪腫と診断した。

腎血管筋脂肪腫

【副脾】

先天的に脾臓の脇に小さな脾組織があるもので、病的意義はありません。

写真 : 脾臓に接するように径1cm大の副脾を認める。

副脾

婦人科の病気

【子宮筋腫】

子宮筋腫は子宮の筋肉層から発生する良性の腫瘍です。35歳以上の女性の4人に1人にみられると言われています。症状は月経過多などの月経異常や貧血などがありますが、無症状の場合も決して少なくありません。
当院で施行した腹部超音波検査でも何例もの子宮筋腫が疑われ、後に婦人科で子宮筋腫と診断された例が少なくありません。

写真 : 内科健診で施行した腹部超音波検査で、径約5cm大の子宮筋腫を認める。

子宮筋腫

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