平成30年12月号 沖縄水上特攻作戦(駆逐艦「初霜」の奮闘)
今回は久しぶりにミリタリー系!
登場するのは、戦艦「大和」とともに沖縄水上特攻作戦に参加した駆逐艦「初霜」。
米機動部隊艦載機の猛攻により「大和」はじめ僚艦が次々と沈められる中、「初霜」は
艦長・酒匂雅三(さこうがぞう)少佐の巧みな操艦によって、降り注ぐ敵弾をくぐり、迫り
くる魚雷を回避し、沈没を免れることができた。
ヘルダイヴァー急降下爆撃機の攻撃を高速で回避する「初霜」。
キットはアオシマ「初霜」の旧版。単装機銃を加えるなどして少し手を入れてみた。
この「初霜」を制作して100円のコレクションボックスにディスプレイしたのは随分前のこと。
アルミフォイルをボンドでコレクションボックスの底板に接着したら底板が反ってしまい、
あわてたことを思い出す。
実はこれが幻の「今月のコレクションボックス」第1号だったが、今回ようやく公開することが
できてホッとしている。
沖縄水上特攻作戦の出撃部隊は戦艦1隻、軽巡1隻、駆逐艦8隻の陣容で、編成は次のとおり。
第二艦隊
旗艦 戦艦「大和」
第二水雷戦隊 旗艦 軽巡「矢矧」
第十七駆逐隊 駆逐艦「磯風」「雪風」「浜風」
第二十一駆逐隊 駆逐艦「朝霜」「霞」「初霜」
第四十一駆逐隊 駆逐艦「冬月」「涼月」
駆逐艦8隻の竣工年を見てみると、「陽炎」型の「磯風」「雪風」「浜風」は昭和15〜16年、
「夕雲」型の「朝霜」は昭和18年、「朝潮」型の「霞」は昭和14年、「秋月」型の「冬月」「涼月」
はそれぞれ昭和19年、17年であるのに対して、「初春」型の「初霜」は昭和9年で最古参。
その上、ロンドン軍縮条約の制約のもとに建造され、その後、性能改善工事が行われたも
のの、他の新鋭艦と比べると兵力的に見劣りする「初霜」は、ベテラン駆逐艦の代表として
連合艦隊の水上部隊による最後の組織的戦闘を見事に戦い抜いた。